
つれづれなるままに、日常感じたいろんなことを、コラムニストがお届けします。

今年の夏は、梅雨明けしてから暑い日ばかりだったのに、まだ残暑の厳しい日が続いていますね。こんな時期に飲むならみなさんは、やっぱりビールでしようか?確かに汗をかいた後のビールはとてもおいしいです。でもビールを一杯飲んだら、次は何にしますか?
私のおすすめは白ワインです。しかも国産ワイン。『甲州』というぶどう品種で造ったワインです。主な産地は山梨県ですが、山陰や近畿、関東、東北などの地域でも栽培されています。ラベルに甲州と書かれていると山梨のワインだと思われる方が多いようですが、産地の名前ではなく、品種の名前が書かれているのです。
この甲州品種はもともとはヨーロッパのブドウでしたが、日本にやってくる途中でアジア系の品種が混ざってできたようです。そのため、他のヨーロッパ品種よりも日本では育てやすいようです。
日本での甲州品種の起源には、2つの説があります。
1つめは、8世紀の大善寺での栽培説です。当時、仏教の伝来により、中国へ留学していた僧侶が日本へぶどうの苗を持ち帰り、お寺の近くで栽培したものではないかというものです。
2つめは12世紀に雨宮勘解由という人が自生していた山ぶどうとは違うぶどうを発見し、持ち帰り栽培したものではないかという説です。 雨宮勘解由が発見したぶどうもおそらく以前に大陸から持ち帰ったぶどうの子孫だったのでしょう。
甲州品種の誕生がどちらの説だったのかわかりませんが、ヨーロッパからやってきたぶどうが千年以上も前から栽培されてきたのは、それだけ日本の気候に適していたということです。
そして、現在では、日本の固有品種になっています。
しかし、ワイン用に栽培されるようになったのは、近年のことです。それまでは、食べるぶどうとして栽培されてきました。そのためワイン造りに適したブドウ作りは最近になってやっと研究されるようになったばかりです。甲州品種の醸造用ぶどうとして可能性はかなり期待できるのではないかと思います。
最近は日本のワイナリーもおいしいワインを造るようになってきています。ぶどう品種に合った栽培方法や醸造方法を行い、香りや味わいの特徴を引き出すことによって、品質は以前よりも格段に向上しています。近い将来ヨーロッパのワインに負けないものが造られることでしょう。(私はとても楽しみにしています。)
甲州品種で造ったワインは枝豆とよく合います。ビールと枝豆が夏の定番ですが 甲州品種のワインと枝豆のとりあわせもとてもおいしいです。このワインなら枝豆とだけではなく、多くの日本の食事に合わせやすく、日常的においしく飲んでいただけると思います。
日本で育ったぶどうを使い、日本で造られたワインなので日本の料理には合わせやすく、また日本人にとってはわかりやすい味わいなのではないかと思います。多くの可能性を持った日本の固有品種『甲州』、このワインをぜひともこの機会に枝豆と一緒に味わってみてください。おそらく、国産のワインの良さをわかっていただけると思います。
何年か先に日本のワインが世界で認められるようになるためにも、どんどん飲んで批評してあげてもらいたいと思います。「わいんのお店 萬」のソムリエでした。